DAIGEI FILM AWARD 2009 開催初日にあたる 3月6日(金)19:00より、
客員教授のスクリーミング・マッド・ジョージ先生の講演会を開催します。
その講演会に先立って、世界を舞台に活躍する先生に特別インタビュー取材を敢行! 
名前の由来からアーティストになったきっかけなど、貴重なお話を聞かせてくださいました。


――この仕事(特殊メイクアーティスト)に就いたきっかけは?

S.M.ジョージ(以下M):僕の大学在学中に特殊メイクの映画が始まったわけですよ。特に『ハウリング』っていう映画を見て「うぉっ! すごい」という感じになって、その自分のステージでやってる事をもっと突き進めて、 “静止してるイメージ”の自分の絵が実際に映像としてドンドン動いていくっていうことで、「この世界は面白い、やっぱり映像で表現したい」って思い始めたわけですね。そいで自分の技量も、もっとフォトリアルにしていかないといけない。自分で15分のフィルムを作って。ステージでやってた曲を5つの短いショートストーリーにして。特殊メイクが絡んだやつを集めたオムニバスを作って、それをリック・ベイカーさんの所に送ったトコから始めたんやね。

――先生の名前の由来は??

M:写楽の芝居なんか結構好きやったんで“東洲斎写楽”と“狂気”っていうテーマがやはり前からすごい好きだったんでそれを合わせて、高校の時にアーティスト名として【東洲斎マッド】という名前を作ったんです。それで、アメリカに渡って最初それ言うたんですけども “東洲斎”って言うのがすごく言いにくかったり、なんかも一つこう伝わりにくいな〜って思って、ジョージって言うのは本名やから【マッド・ジョージ】ってのはあるんですけども、そのころやっぱりね、アーティストでマッド・アマノさんとか居てるわけですよ。「なんか二番煎じみたいな感じは嫌やなぁ〜」と、それをもっと越えたモンをしたいなぁと言う所があって。僕が小学生の時にレコード屋に行った時シングルで、『便秘のブルース』って言うのがあって、それを見たときに「なんやこれ」って思って、なんか面白そうやからと思って、それを買って家で聴いたらメチャおもろいんですよ、ずっと「んーっ」って気張って最後ブシュッて出てくるみたいなね。こんな歌あってええのか!?みたいなそれを聴いて、それを歌ってる人がスクリーミン・J・ホーキンスっていうので、すごい頭に残ってたんですよ。で、なんかないかな〜っていうので、「スクリーミング・マッド」っていうね。 “「ぎゃぁぁぁ」と叫びまわって狂ってる”みたいな。コレ強烈やな。アメリカ人にしても、“スクリーミング・マッド”って言ったら相当強烈な感じに聞こえる。この【スクリーミング・マッド・ジョージ】という、このなんかあの語呂がね、非常にええなぁと思いまして。こらもうぴったりやなと(笑)。

――影響を受けた人とかは?

M:【ダリ】ですね。とにかくダリの影響もの凄く大きかったですね。

―― 一番最初に見たダリの作品はなんですか?

M:『生きている静物』ですね。普通の静物画みたいなんやけども、テーブルクロスの所が立体なグラフィックなモンがポンと出てたり、包丁が飛んでたり。飛んでるのがスピード感が出てたり、残像が残ってたりとか。それでいて写真の様な技術で描かれてて。僕が中学2年のときやったんですけど、「なんやこれ」っていうくらい衝撃があったんですよね。“シュール・レアリズム”に思いっきり入り込みました。

――最近の日本の映画に対して思う所は??

M:日本は低予算の割りにもの凄い頑張ってると思いますよね。ハリウッドの映画とかって、予算も凄いあるわけですよ。日本映画の大作いうてもその全然ケタが違う。その中でVFXにしても凄いがんばって、向こうのやってることに近いものを作ってる。技術的には、向こうも日本人がものすごい一杯いてるわけで。それは結局、日本映画のマーケットの問題やと思うんですよ。ハリウッドの映画はワールドマーケットだから、それだけの予算が入って、それだけの回収が認められるけど、日本映画って言うのは、とにかく日本の中で元とれないといけないっていうところで、作らないといけない。だから予算が限られてくるんですね。ただ僕が思ったのは特殊メイク系を好きな子らはだいぶ上手い子らもいてるし、やっと上手い子らが出てきたなと思うと、CGの方がガーーッと来てるから、逆に今度需要が無くなってきてる。そうすると特殊メイクで、特に上手い子が出るかというと、一停してしまってる感じがするんですよね。それと、この学校でやってても日本の特撮とか、戦隊物的なものとかそういうのが、好きな子らが多いですよね。そうするとね「凄いリアリティーを」っていう、その意図と違うんですよ。だからそこまで必要ないという意識を持ってるのか。僕はその向こうの方のスタンダードの考え方“如何にリアルなもの”画面で見たときに本物に見えるかっていうことを意識して作らないとっていうのやけど、それはチョット方向性が違うと。逆に日本の怪獣のきぐるみとかの方に情感があるとか言いはじめるから、そういう意識であるとそれはそっち側で続いていくんやろうなと思いますね。それはもう同じ特撮でもやっぱり別のジャンルやと思うんですよ。


 先生の言葉の端々から、創作活動への情熱や映画に対する想いが伝わってきました。こちらの質問に対して真摯に、時にユーモアを交えて話してくださるところはさすが関西人!と妙に納得してしまいました。この後、話題はこれからの創作活動について、さらに学生へのアドバイスへと展開。先生の話がますますヒートアップするインタビューの後編は、DAIGEI FILM AWARD 2009 の会場で配布されるパンフレットに全文掲載しております。続きが読みたい人は是非とも会場でパンフレットを手にとってください。そして講演会では、さらにディープなお話が聞けるのは間違いナシ!
皆さんのご来場をお待ちしております。

S.M.ジョージ先生講演会
3月6日(金)19:00〜20:00 HEP 8階HEPHALL


  1956年大阪生まれの特殊美術アーティスト、監督。
ニューヨークの美大「SCHOOL OF VISUAL ARTS」 でファイン・アートを学ぶ。
リック・ベーカー氏に自らの監督作品を送ったことを期に、グレッグ・キャノム氏のもとで『コクーン』のプロジェクトに参加。
『ゴーストハンターズ』ではデザインと製作を任され、「ファーストテクニシャン」のクレジットを得た。
1986年 SFX工房「SMG EFFECTS INC.」 を設立。「エルム街の悪夢4」等数々の映画やミュージックビデオの製作に参加し、特殊メイクアーティストとして地位を築いた。
 
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