《スタッフ》
監督・撮影:満若勇咲
《キャスト》
満若好美 樋口明子
 
記録コース
「父、好美の人生」
 
60分00秒
ドキュメンタリー

 父の人生とは一体なんだったのか? これからどうするのか? 答えは無いけれど、それでも生きる父の記録。



 前作「肉のひと」で他者を見つめた作者が、一転して今度は自分の家族にカメラを向けた。他人の家族を見てこんなことを言うのは何だとは思うが、それでも「面白すぎる」と言ってしまう。
 何と言うか信仰と言えばいいのか、一風変わった考え方の父親に翻弄される妻、息子である作者。理解しがたい、受け入れられない、手紙は破られ、口論にもなる。カメラは、少しもためらう事なく父親に向けられ、映画が生まれる。
 それを見るうちに、実は彼らがどこかでそんな父親を愛しているのではないかと思わされてしまう。映像の不思議な力を改めて感じる。
(映画コース:大森一樹教授)




《スタッフ》
監督:金子陽介/制作:高塚映里香/撮影:瀬川由希/照明:高野紘樹/録音:竹内遊/美術:長岡千華/編集:小川泉
《キャスト》
今泉さくら 隅谷和哉 西田健一 高木友 安藤匡史 木津円
 
映画コース
「江國さゆりは不感症」
 
74分23秒
ファンタジー

 ペットの淡水エイと暮らす女・さゆりはバイト先−中古レコード屋−の常連客・研二に恋をしていた。ある日、些細な出来心で研二の音楽が入ったCDを盗んでしまうさゆり。不器用な彼女の思いは思わぬ方向へ転がっていく。



 ダイゲー名物、“血まみれスプラッター映画”の伝統かと思いきや、一人の女の子の心が朽ち果ていく様が丹念に描かれていく。
 水槽の中、ドアの向こう側、傘に跳ねる雨、原色の色彩、異様なロックの響き――映画的記号が独自の映画の文体を紡ぎ出す。
 金子修介も裸足で逃げ出す、金子陽介のダークサイドな少女映画。
(映画コース:大森一樹教授)




《スタッフ》
監督・撮影・編集:伊藤大悟
《キャスト》
高橋和誉 高橋由実 高橋好江 高橋ふみよ 高橋輝 高橋誠
 
記録コース
「ある家族」
 
54分47秒
ドキュメンタリー

 兵庫県の山間部、加西市に暮らす高橋和誉は機械工場で働きながら家族を養っている。父親は和誉が小学生の時に借金を残して家を出て行ってしまった。母親は統合失調症を患い、入退院を繰り返していたため、和誉は祖母に育てられた。やがて大人になり、結婚をして子供が生まれようとしていた。和誉は、父親に会いたいと思うようになる。しかし探してはみるものの手がかりは見つからない。そんな時、西成区の医療センターから手紙が届いて……。




《スタッフ》
監督・脚本:坂下雄一郎/製作:金曽勇介/照明:奥村健太/音響:嘉陽由利香
《キャスト》
柴山千奈 西薗修也 奥村健太 金曽勇介
 
映画コース
「憂鬱ろけっと」
 
23分45秒
ドラマ

 夢は大気圏、あしたは稲刈り。



 田舎の女子高校生の揺れ動く心――これまた、芸大映像学科得意のジャンルである。(4年間南河内の片田舎の風景の中で過ごすと、こういうメンタリティになるのであろうか?)とはいえ、本作は、女子高校生を「ロケット打ち上げ少女」にしたところが成功であることは見てもらえばわかるだろう。
 このジャンルにつきものの気の弱いダメな追っかけの男子高校生も、いままでとは違った新鮮さで、また一歩、ダイゲー女子高生映画が新しい境地に踏み出したと言えるのではないだろうか。
 ロケ場所の選び方にセンスを感じるし、屈折しまくっているのに爽やかな印象を残す女の子のキャスティング、演技が良い。
(映画コース:大森一樹教授)




《スタッフ》
石田未来
 
記録コース
「愛と、生きる」
 
38分00秒
ドキュメンタリー

 石田武志、53歳。仕事、スーパーの生鮮売り場での調理、と、がんこ寿司でアルバイト。月収、20万円。家族、妻1人、子供2人。友達、なし。趣味、なし。
 家族には忌み嫌われ、家族との会話は一切なく、自分の兄弟や両親とも10年以上連絡を取っていない。休みなしで働いても、家族はやしなえない。友達も1人もいない。趣味もない。誰と話すこともなく、ただ働くだけの毎日。人生。本当の、孤独。
 いったい彼は、なんのために生きているのだろうか?




《スタッフ》
作野良輔 仲本貴廣
《キャスト》
櫻田陽兵 猪内理恵
 
表現研究コース
「VILTICE」
 
29分19秒
特撮アクション

 戦士ヴィルティスとして、獣人たちと戦う道を選んだ青年、白石 光。しかし、ヒーローの力を手にしたとき、果たして誰もがヒーローとして在り続けられるのか?その強大な力はやがて……。



ヒーロー物の条件として、主人公は草食動物系のイケメンでなければならないそうな。
今、視聴者の中心は若い主婦なのだ。
これはまぁ何となくクリアか?
堕ちやすい人間の悲喜劇になっているところがひと味違う。
(表現映像コース:井本雄三先生)




《スタッフ》
監督・脚本:佐藤純也/撮影:奥村健太/音響:菊川和朗/美術:西岡佑介/助監督:田口翔/制作:南好輝
《キャスト》
三藤悠晃 橋本宙樹 井上俊和 平山晴加 結城良子
 
映画コース
「Re:Rec」
 
22分00秒
短編映画

 主人公上野は、親友加藤に頼まれ替わりにとある人に会いに行くことになった。しかし、そこに待ち受けていたのは、イカツイ大男とアメを頬張る女だった。
 そしてそこから、上野の災難が始まる。イカツイ男に追いかけ回され、どこまでもついてくる。上野は必死に逃げた。そんなとき、橋を渡っていると上野はつまずいてしまう。
 上野は宙に舞った。しかし、転けたつもりが自分の部屋に戻ってしまっていた……。橋を渡ると時間が戻る!?



 大正区にある眼鏡橋を、上空からの俯瞰で見るとVHSのカセットテープに見えるという発想がなにより面白い。そこから巻き戻し、早送り、再生のドタバタ劇が生まれるのだ。
 とぼけた男たちに、体格女優というキャスティングの妙、「ラン・ローラ・ラン」を彷沸とさせるランニングに、移動撮影など充分に映画的。
 眼鏡橋の上空からの俯瞰ショットがないのが残念などとは決して言ってはいけないだろう。卒業制作でヘリコプターを飛ばせなどとは、とても…。
(映画コース:大森一樹教授)




《スタッフ》
田中千尋 光吉豊宏
 
アニメコース
「クリムゾン」
 
23分05秒
2Dアニメーション

 小さいことが小さな変化を起こそうとする。遠い過去か遠い未来のいつもの毎日。成功も失敗も出会いも別れもこうして映画を見ている現代もそこらで起きているいつもの毎日。



 以前から鉛筆による細密画の手法で独特の世界観をペーパーアニメ制作で試みていた。
今回は彩色をした為その筆法の特徴が隠れていたのが残念。
 しかし、一見洗練されていない画面を見せるが、逆にその荒々しさと筆圧感には圧倒される。ただ、ストーリー構成は観客を悩ませる。
 本人達にも迷いが見られるが今後に可能性を残した作品である。
(アニメーションコース:吉川幸夫教授)




《スタッフ》
小川泉
 
アニメコース
「good-bye」
 
6分45秒
立体アニメーション

 ダダの不思議な冒険



 映画において役者と背景との関係によって成り立つその空間表現は、被写体の対象がすべてミニチュアであるクレイ・アニメにおいては画面上で拡大された時、イメージ通りになるかどうか見る方にとっても大変興味深いところである。
 具体的な背景とてなく、空間の境界線があってないがごとく、その抽象的な舞台は能舞台を連想させる。即物的受けを狙うのではなく、見る側に委ねられている感がする実験的表現だ。
(アニメーションコース:吉川幸夫教授)




《スタッフ》
監督・脚本・編集:鈴木雄大/製作:倉橋拓也/脚本:林誠人/撮影:久高将也/照明:岡本青一青木新吾/美術:見崎勇太 清野友貴 黒田克也/録音:浅井佑介 前田英紀/助監督:小部光太郎/音楽;倉橋拓也
《キャスト》
間部祐介 前田美幸 堂下朋恵 松本格子戸 河村宏正 たむらめぐみ
 
映画コース
「フールプルーフ」
 
61分24秒
コメディ

 自称天才美術家の翔一郎(間部祐介)とその彼女静瑠(前田美幸)は、借金返済のため女子高生雪乃(堂下朋恵)を誘拐する。身代金を要求し、借金ともおさらば!!のはずが……。



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